狭小アパート経営のメリット・デメリット|戸建て賃貸経営という選択肢も
相続などで狭小地を取得した際には、土地活用を検討しましょう。
狭い土地では土地活用ができないと思われがちですが、狭小アパート経営や戸建て賃貸など工夫次第で収益化することも可能です。
もちろん、周辺環境などにもよりますが、ライフスタイルの変化により、単身の若者が多い都市部を中心に狭小アパートのニーズは高まっていると言えるでしょう。
今回は、狭小アパート経営のメリット・デメリットや戸建て賃貸経営のポイントなどを紹介します。
このコラムのポイント |
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Contents
狭小地でもアパート経営はできる?
結論から言えば、一般的な規模のアパートを建てるのが難しい狭小地でも、アパート経営を始められます。
むしろ、ミニマリストや、部屋の広さより利便性を重視するユーザーが増えている背景があり、近年は都市部を中心に、一般的なアパートの半分程度の床面積の狭小アパートが増えている傾向があります。
ただし、経営を成立させるためにどれくらいの広さが必要になるかは、立地環境やターゲットユーザーにより異なりますので注意しましょう。
例えば、土地相場が高く単身若者が多い都市部では、30坪以下の狭小地にアパートを建てて経営しているケースも多いです。
家賃相場が高く、居住性より利便性を重視するユーザーが多いので、駅前などのエリアならワンルームでも収益を確保しやすいからです。
逆に、都心より土地相場が低い地域では、ある程度の広さが必要になります。
狭小アパート経営のメリット
狭小アパートには、コスト面や競合物件との差別化など様々なメリットがあります。
ここでは、狭小アパート経営のメリットについて解説します。
初期費用を抑えられる
敷地面積、建築面積が少ないほど取得費用や建築費用など、初期費用を抑えることができます。
下記の表は、国土交通省の「建築着工統計調査」から引用した居住専用住宅の建築工事費に関するデータですが、建築費用の㎡単価平均を算出すると、22.9万円で、坪単価は75.6万円になります。
建築物の数(棟) | 床面積の合計(㎡) | 工事費予定額(万円) |
428,800 | 62,459,118 | 1,431,859,868 |
例えば、30坪の土地にアパートを建築する場合の建築費用を算出してみましょう。
まず、一般的な建ぺい率60%、容積率150%で考えると30坪の土地に建てられる住宅の坪数は、建築面積18坪、延べ床面積36坪(2階建て)となります。
そして、アパートの建築費用の相場は坪単価×延床面積で算出できますから、本体工事費用は2,721.6万円となります。
また、アパートの建築費は本体工事費の他に付帯工事費や諸費用がかかることに注意しましょう。
それぞれ一般的な割合である付帯工事費(20%)、諸費用(10%)で算出すると合計概ね3,538万円が30坪の土地に建てるアパートの建築工事費の概算となります。
もちろん、木造にするか鉄筋コンクリート造にするかなど構造や地域にもよりますが、上記のように考えると、少なくとも敷地面積や建築面積が少ないほど初期費用を抑えることができることがわかるでしょう。
アパート建築の初期費用については、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひごらんください。
>アパート経営の初期費用はいくら?建築費相場や自己資金のバランスについて解説
ランニングコストが安い
ランニングコストが安いことも狭小アパートのメリットです。
そして、アパート経営には、初期費用だけではなく下記のようなランニングコストが発生します。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 外壁屋根塗装などのメンテナンス費用
例えば、アパートの固定資産税・都市計画税については土地と建物の両方に税金がかかりますが、下記のような軽減措置があります。
固定資産税と都市計画税の軽減措置 | |
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土地 |
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建物 | 延床面積が50㎡以上280㎡以下の新築住宅は固定資産税が1/2
(新築住宅は3年間) |
このように、土地や建物が小規模だと軽減措置を受けることができるので、ランニングコストを抑えることができます。
また、当然ながら、外壁屋根塗装などのメンテナンス費用も施工面積が小さいほどコストが下がります。
下記の記事では、アパート経営で節税できる税金の種類と方法について紹介していますので、ぜひごらんください。
>アパート経営で節税できる税金の種類と方法|所得税から相続税まで一挙解説
競合と異なるユーザーにアプローチできる
周囲に狭小物件が少ないエリアなら、あえて狭小アパートを選ぶことで競合物件と差別化する方法もあります。
例えば、狭小アパートで初期費用を抑え、競合物件より家賃を安く設定すれば、下記のように異なるユーザーを狙えます。
- 学生や就職など初めて1人暮らしをする若者
- 2拠点生活のビジネスパーソンの利用
空室期間の負担が少ない
狭小アパートは1戸あたりの家賃が安いため、入居者の入れ替えによる空室期間中の負担が少ないのもメリットです。
1室の家賃が高いほど収益面では有利ですが、空き室が出たときのローン返済や固定費の負担は大きいからです。
また、狭小アパートは賃料が安いため、需要があるエリアなら次の入居者を見つけやすいのもメリットと言えるでしょう。
狭小アパート経営のデメリット
上述したように、メリットも多い狭小アパートですが、下記のようなデメリットもあります。
狭小アパート経営を成立させるためには、事前にデメリットを把握し、対策を講じることが大切です。
入居期間が短い傾向がある
狭小アパートのメインユーザーである単身若者世代は、ライフスタイルの変化が大きいため入れ替わりが激しい傾向があります。
例えば、収入の変化や転勤・転職、卒業、結婚などで、狭小アパートが手狭に感じて退去するケースが多いです。
このように、入居者の入居期間が短いほど、原状回復や次の入居者募集にかかる広告費用が多くなることはデメリットと言えるでしょう。
需要や資産価値が下がるリスク
ライフスタイルや地域の賃貸需要の変化の影響を受けやすいのも、狭小アパートのデメリットです。
学校の閉校や企業の撤退などで、地域の若者世代の賃貸需要が大きく減れば、一気に空室率が上昇するリスクがあります。
また、需要が減ると売り物件が増え、売却価格も低下する可能性が高いでしょう。
リフォーム費用の負担が大きい
1室の床面積が狭くても、水回りなどの設備は1つずつ必要になるため、家賃収入に対するリフォーム費用の負担は大きくなります。
特に、戸数が増えるほど負担も大きくなるので、給湯器やエアコン、水回り設備などの耐用年数と、リフォーム費用の相場を把握して経営計画に組み込んでおくことが大切です。
建築費用が割高になる
狭小アパートは、延床面積が少ないため建築費用総額は抑えられますが、一般的な物件より割高になることに注意しましょう。
一般的に、延床面積が少ないほど坪単価は高くなりますし、敷地面積や形状に合わせた注文住宅になるため、設計料や施工費用も割高になります。
また、周辺の道路や敷地が狭いと、資材搬入や施工に支障が出て、工期が伸びることで費用が高くなる傾向があります。
東京以外のエリアで狭小アパート経営はあり?
実際のところ、30坪以下の狭小地のアパート経営は、賃貸需要が高い東京都内や大阪などの大都市近郊に集中しています。
このような状況を踏まえた結論としては、東京や大阪などの大都市以外のエリアでは、極端な狭小アパート経営はリスクが高いです。
狭小アパートのメインユーザーである若者が集まるエリアなら、ある程度の需要が期待できますが、日本の少子高齢化を考えると今後需要が大きく伸びるとは考えにくいでしょう。
もちろん、大都市以外でも若者人口が増えているエリアを見極められれば、狭小アパートで安定した利益を上げられる可能性はゼロではありません。
しかし、かなりの目利きが必要とになり、出口戦略も含めた綿密な経営計画が求められるため、難易度は高いです。
狭小地における戸建て賃貸という選択肢
アパートを建てるのが難しい広さの土地では、狭い土地になるべく多く戸数を確保するのではなく、ゆとりある戸建て賃貸で幅広いユーザーにアプローチし、家賃収入を確保する考え方で、戸建て賃貸を経営するのも1つの選択肢です。
戸建て賃貸なら、ファミリーから老後の1~2人暮らしなど幅広いユーザーが対象になるので、大都市以外でも需要が期待できます。
戸建て投資のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひごらんください。
>戸建て投資のメリット・デメリット|儲からないと言われる理由と対策を解説
IDQの戸建て賃貸商品は、下記のような土地でも戸建て賃貸住宅を建てることができます。
- アパートが建たないような狭い土地
- 「なかなか売れない」という立場条件の悪い土地
- 「青空駐車場にしても借り手がない」というような土地
- 使い道がなく毎年”固定資産税”ばかり払っているような土地
このように、戸建て賃貸住宅なら眠っている土地を有効活用して安定収入を得られます。
千葉県で土地活用・アパート経営検討をしていらっしゃる方は、新築アパート施工実績が豊富なIDQ architectへお気軽にご相談ください。
IDQ architectは、土地や予算に合わせた新築アパートから戸建ての賃貸住宅まで様々なアイデアをご提案できます。
下記から、当社の新築アパートの施工事例や土地活用のアイデアをぜひごらんください。