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相続対策としてのアパート建築のメリットとは?

土地活用で大切な資産を安心して次世代に継承するために、まずは相続税の基礎知識と対策方法について考えてみましょう。

相続税の仕組みとは

相続税の仕組みとは

相続税は、相続によって財産を取得した場合、その取得財産に対して課される税金です。

土地や建物・現金や預貯金・有価証券・自動車・美術品・死亡保険金などのプラス財産から、被相続人の葬儀費用・借金などのマイナス財産を差し引いた「遺産総額」が「基礎控除額」を上回っている場合に発生する税金のため、課税対象となる相続財産の額が基礎控除によってゼロになれば相続税はかかりません。

相続税の改訂で基礎控除額が大幅減額

基礎控除は、税額計算上の一定の非課税枠を指し、計算方法は下記の通りです。

  • 「基礎控除」: 3,000万円+(法定相続人数×600万円)

この基礎控除額は、改定前から6割にまで引き下げられました。

  • 「定額控除」: 改定前5,000万円→改定後3,000万円
  • 「法定相続人比例控除(1人あたり)」: 改定前1,000万円→改定後600万円

効果的な相続対策とは

「基礎控除額」の大幅減額で、相続税が発生する対象者が増加して、相続発生件数に対する相続納税者の割合は、平成27年1月1日からの相続税改正で改正前の2倍を超えています。

そのため、相続税の効果的な「節税対策」を知っておくことが重要です。

効果的な相続対策を学ぼう

①資産価値は下げずに「評価額」を下げる方法

・賃貸住宅などを建てた土地は「貸家建付地」になる

土地の相続税評価額は、更地の状態で100%評価です。

しかし賃貸住宅の建築により借地権と借家権が考慮されるため、評価額が更地の80%程度まで圧縮されます。

・賃貸住宅の建物は「評価減」できる

建物は、建築費の50~70%程度にあたる「固定資産税評価額」で評価されます。

さらに賃貸にすることで30%の「借家権割合」が差し引かれ、「固定資産税評価額」の70%で評価されるため、実際の建築費用は42%程度の評価減となります。

②小規模宅地等の評価減の特例を利用する方法

小規模宅地等の評価減の特例は、被相続人が自宅や賃貸住宅、事業用として使っていた土地を相続する場合、相続税評価額を一定の要件のもとで減額できる特例です。

1.賃貸住宅等の敷地(貸付事業用宅地等)

被相続人が経営していた賃貸住宅を相続人が引き継ぐことで「貸付用」の小規模宅地等の評価減の特例が適用されます。

・減額される面積の上限: 200㎡まで
・減額される割合: 50%
2.自宅の敷地(特定居住用宅地等)

配偶者もしくは同居親族か持ち家を所有していない子が相続する場合「居住用」の小規模宅地等の評価減の特例が適用されます。

・減額される面積の上限: 330㎡まで
・減額される割合: 80%

※相続開始前3年以内に相続人または相続人の配偶者が所有する家屋に居住したことがないのが条件です。

3.事業用の敷地(特定事業用宅地等)

被相続人が経営していた「貸付用」以外の事業を、相続人が引き継ぐことで「事業用」の小規模宅地等の評価減の特例が適用されます。

・減額される面積の上限: 400㎡まで
・減額される割合: 80%

※2と3はそれぞれ上限の面積まで併用が可能です。また、1と2、1と3を併用する場合は面積の調整計算が必要になります。

相続対策に必要な3つのポイント

  • 節税

    不動産の相続税額は評価額を下げる方法を効率的に活用しましょう。

  • 遺産分割

    相続税の優遇税制は分割協議がまとまることを条件に適用されます。

  • 納税

    相続税は現金で納税しなければならず、換金しにくい財産を取得した場合でも納税資金を確保する必要があります。

アパート経営と税金について

賃貸アパート経営では、相続税や所得税、住民税、固定資産税などの税金が効果的に軽減できるのがポイントです。

  • 固定資産税と都市計画税

    小規模な土地の固定資産税評価額が更地の1/6、都市計画税は1/3となります。

    賃貸アパートを建てると、建物にかかる固定資産税も条件が揃えば5年間の税額が1/2に軽減されます。

  • 相続税

    貸家建付地に賃貸アパートを建てると土地の評価額を入居者の権利分「借地権割合×借家権割合」、2割前後軽減できます。

    また建物の相続税評価額は、固定資産税評価額に相当する金額で評価されるので、建築費の5~6割程度となり、30%の借家権割合が控除されます。

    さらに、敷地の200㎡までの部分には、貸付事業用宅地等として小規模宅地等の評価の特例が適用され評価額が50%になります。

  • 所得税と住民税

    賃貸アパート経営によって得た所得には、必要経費を除いた「不動産所得」として、所得税・住民税が課されます。

    ただし、アパート経営開始当初の経費が多く赤字になる場合、黒字の給与所得と相殺する損益通算で税金の還付が受けられる場合があり、それには毎年の確定申告が必要です。

払い過ぎた相続税を取り戻す方法がある?

支払った相続税が妥当なものか?払い過ぎた相続税を取り戻す方法も押さえておきましょう。

  • 相続税の戻ってくるケース

    • 相続税は土地の過大評価や不正確な評価により支払い過ぎる場合があります。
    • 不動産鑑定士との連携や法律の知識を活用することで、土地の評価額を下げることができます。
  • 相続税の還付金について

    • 還付される金額はケースによりますが、数千万から数億円になることもあります。
    • 還付されるのは支払った相続税の一部であり、経費として扱われることはありません。
  • 税理士に依頼する場合

    • 相続税の申告は専門知識を持った税理士に依頼することがおすすめです。
    • 税理士に依頼すると申告から還付まで約半年ほどかかります。
    • 成功報酬制を採用している税理士が多く、還付が実現した場合に報酬が発生します。