MANAGEMENT PROGRESS
土地活用の方法と資産価値
バブル崩壊後、土地の値段は上がり続けるという土地神話は崩れ、現在の土地価格は低迷し、土地を持っているだけで「固定資産税」などの税金負担は大きく、さらに厄介な「相続税」も土地の所有者にとって頭の痛い問題です。
土地を売るにも思うような価格で売れず、売却益の4割り近くに及ぶ「譲渡税」も問題です。
持っているだけでは税金がかかるだけで、利益を生み出さない土地を持ち続けるには、いかに土地を有効活用して収益を上げるかが、これからの時代の課題になってきます。
また、資産価値を損なわないための土地活用には、様々な方法がありますが「相続税対策・節税対策」や「高収益・安定収入」など、優先したい目的を明確にして周辺環境や土地面積といった立地条件と照らし合わせて検討していくことが大切です。
土地活用の方法
- 「アパート・マンション経営」
入居者のニーズを満たす充実の設備や管理サービスの提供で安定した収益が見込める。 - 「テナントビル経営」
都市部で立地条件のいいエリアに有効な活用方法。 - 「ロードサイドビジネス」
土地のオーナーが店舗を建築し、テナントを募集して共同で事業を進める方法。 - 「駐車場ビジネス」
収益率は低いが投資額やリスクも少なくて済む方法。 - 「定期借地権」
借地借家法の改正の改正により土地のオーナーは安心して土地を貸すことができ、借主は少ない負担で建物を所有できる。
※定期借地権は、1992年の借地借家法の改正で新たに認められた借地権で、当初定められた契約期間で借地関係が終了するため更新はできない。
賃貸アパート経営のメリットを活かす
- 安定した収益性:アパートに入居者が見つかれば、安定した家賃収入が得られるため、経済的な安定が期待できます。
- 土地の有効活用:土地をアパートとして運営することで、土地の価値を最大限に引き出すことができます。
- 入居者のニーズに応える:入居者の要求が高まっている現在では、設備や管理サービスの充実が求められます。満足度を高めることで、入居率の安定が見込めます。
安定収入を得るための収支計画
長期的な収支計画は、リスクの少ない安定した賃貸アパート経営を成功させるための重要な作業です。
賃料相場や需要動向を調査し、建築費や諸費用、ローン返済額などを正確に把握し、きめ細かい計画を立てることが大切なポイントです。
収支計画書は毎年の入出金状況を確かめられる上、収支計画と損益計算による不動産所得額を合わせて計算しておくことで、採算性や計画変更の判断材料となります。
アパート経営で失敗しがちな3つの落とし穴に注意
賃貸経営においては、「不動産投資」としての収益や経費などを上手に活用した節税キャッシュフローと、「節税」目的の相続税対策や固定資産税の軽減によるメリットを慎重に判断していかなければいけません。
節税目的でアパート経営を始めた方の中には、金融機関・不動産会社・建築会社の提案をそのまま受けて、収支のバランスを見ずに経営を始めてしまい、数年でトラブルに直面するという厳しい経験をされた人も少なくありません。
また、家賃保証の仕組みに頼ってしまい大幅な家賃値下げに応じて、さらに銀行への返済が難しくなるような困難な経営でお困りの方も増えています。
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注意ポイント①
金融機関- 銀行では通常、返済期間30年の元利均等支払いローンを組みます。
- 最初の約15年は金利の支払いが多く、オーナー様の収入安定期間の大きな負担となります。
- 入居率や家賃が下落すると、元金の返済が増え、返済額が増加する傾向があります。
- 繰り上げ返済など、対策せずに経営を進めると返済に困ることがあります
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注意ポイント②
不動産会社(管理会社)- シーリングや客付けなどの入居率、家賃下落率、お客様へのサービス、クレーム管理などに対するプロ意識が欠けている場合があります。
- 外注が多く、オーナー様に依存しながら利益を追求しているケースがあります。
- 物件の築年数経過により、入居率が下落していく時期に目を付けて、頼りがいのある謳い文句で営業に来る傾向があります。
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注意ポイント③
建築会社- 建築会社は、仕事を受注すると大きな経費をかけ、オーナー様の負担となる建築費に利益を乗せる場合があります。
- 家賃保証などの手法を使い、オーナー様に高額な金額で物件を購入させられると、無利益状態から経営を始めることになります。
- この状況に気付かず経営を続けるオーナー様も多く存在します。
将来的な人口減少や経済の不安が予想される中、銀行からの借入れをする以上は長期的な経営についてしっかりと学んでいく必要があります。